戦うために生まれてきたようなものだった。
 少年や少女までもが戦死していくような状況。
 終わりが見えなくて、もういっそ全て終わらせてしまおうと思った。
 それでも命を絶つことが出来なかったのは、今がその瞬間ではないと思ったから。

 いつかイヴが言っていた。

「ここで死んじゃったら、リーオとはもう逢えないのかな」
 あいつにしては珍しく殊勝な言葉だった。
 けれどイヴにそう言わせたのは、あの戦争、いつ死んでもおかしくないような状況だ。
「……そうだな」
 何と言っていいのかしばらく迷って、俺は一言そう口にした。
「でも、」
 イヴが何か言う前に、間髪を入れずに喋った。
 不思議そうな顔になったあいつに向かって、俺は少しだけ笑ったと思う。
 今、また戦場へ駆り出されるのを待っている俺たち。
 心からの笑顔なんてあるわけがない、と思っていたのに。
「もしお前が死んだら、俺も直ぐに追いかけるから」
 そう口にしたら、自然と満面の笑顔になった。
「だからすぐに逢えるさ」
 俺の言っていることがどんなに愚かで、これからも俺とイヴを縛り付けるということは百も承知だった。
 そしてそれを分かった上で、
「……うん、待ってる」
 と微笑んだアイツも、また、どこまでも愚かだった。

 でも、それが甘く神聖な誓いに思えた。










愚者の誓約
望まれている“平和”が何なのかも分からない それでも戦わなければいけない
うん、半年以上前に書いたやつです。意味不明^^ まあ今に始まったことではないんだが^^ いろいろ申し訳ないですー。 でもこういう話が大好きだ! いつかちゃんと話が繋がるように何か書きます。はい。   09/03/26 Thank you.