「ああ、あれか。家出」
空がぽんと手を叩く。
一瞬何を言われたかよくわからず、僕は「ん?」と首を傾げた。空は、ほら、と手をひらひら振った。
「お前が『家出』した時のこと?」
「……何が?」
「考え事って」
「……あ、うん」
僕がその話題を出してから、幾分か過ぎていた。くすりと笑みが零れる。
「遅くない? 思い出すの」
「うっせ」
空はふんとそっぽを向いてしまった。
思い出すのにも時間がかかるくらい、昔の記憶。
「実は、あの時さ」
話を振っても、空は斜め上を向いたままだ。
「僕、空にそんな趣味があったのかなあ、ってちょっと衝撃だったんだよね」
淡々と呟くと、予想通り、空は勢いよくこっちを振り向いた。
「はっ!? そんな趣味ってなんだよ!」
「いや、だって空、僕のこといきなり押し倒すし」
「違う!」
うろたえる空が面白くて、思わず噴き出す。僕の言葉が止まったのをいいことに、空は軽く咳払いをしてから、ぶっきらぼうに言った。
「ま、いいじゃん」
「何が?」
「お前、帰ってきたし。結果オーライってことで」
空がそう言って笑うから、
「うん」
僕もにっこりと笑った。
Oneself of that day.
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君と笑いあえる日に ありがとう
お……お、終わった! 完結できたよっ!(感涙
というわけで、初の完結済み長編(中編)となりました。
元々は学校に提出する用に書いたので、ちょっと普段とテイストが違ってますね(`・ω・´)
まあ、最後はねーやっぱり普通では終わりませんでしたが(笑
最近ちょっとイロイロ目覚めてきたような気がしないでもないです。
また次も頑張ります!
もしよろしかったら、次作も読んでください…!
09/07/28 Thank you for reading.